代表鹿野の“もったいない&ほっとけない”

2008年1月21日(月曜日)

金融機関に預けたお金はどう使われているの?

1月19,20日、港区芝にある女性と仕事の未来館で「私たちのお金で未来を創る?ソーシャル・ファイナンスへの挑戦?」と題した国際フォーラムが開催されました。これは、国際青年環境NGO A SEED JAPANアリスセンター(特定非営利活動法人まちづくり情報センターかながわ)が開催したもので、普段何気なく銀行に預けているお金の使われ方に関心をもち、どうせ預けるなら社会的に有益な使われ方を志向している金融機関を選ぼうといった趣旨のシンポジウムでした。

講演およびパネリストとして登場したのは、自然エネルギーや教育、高齢者福祉、有機農業などの社会的事業に限定して融資を行っているドイツのGLSコミュニティ銀行、預金者の投票等に基づき倫理的な融資基準を策定して業績を拡大したイギリスのコーポラティブ銀行、ソーシャルファンド預金という新しい金融の仕組みを作ってNPOへの融資を拡大した日本の近畿ろうきんの3社。それぞれの取り組み事例が紹介された後に、パネルディスカッション、来場者からの質疑応答、トークセッションが行われました。

これまで私たちは、利率がよくてサービスがよく、業績も安定して安心して預けられる金融機関を選んできました。あくまでも自らの経済行為として預貯金を捉えてきたわけです。しかし、金融機関の本来業務は、私たちが預けた預貯金をもとに企業等に貸付けたり投資をすること。いかに有利に預貯金を使うかがもっぱらの関心で、極端に言えば、戦争に加担している企業、環境や生命に悪影響を及ぼすような企業に対しても、儲かると判断すれば融資をするという金融機関も少なくないと思います。結果、私たち預金者は、自らの意図に関わらず反社会的な活動をサポートしていたかもしれない・・・。昨年、食品偽装が問題になりましたが、そうした企業も金融機関から融資を受けていたとすれば、私たちも間接的に食品偽装に関与していたとも考えられます。

これは恐ろしいことです。無関心だったとはいえ、まさに“ほっとけない”ことであり、今後は、今回紹介された金融機関の活動を参考にしながら、自ら預けたお金の使い方に関心をもたなければいけないと思いました。同時に、こうした金融機関の存在を多くの人に知ってもらうこと。とくに私のように、メディアに携わる仕事をしている人間は、自らの責務として広く知らしめていくことが大切でしょう。よくマスコミは、社会の木鐸としてもっともらしい論陣を張りますが、すこしでもよい社会を作っていきたいと思うなら、こうした金融機関の存在こそ記事にすべきです。そうでなければ。マスメディアとしてのせっかくの機能がもったいない。そろそろ報道の力点を再構築していくべき時期にきていると思います。

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